15周年のフジファブリック
フジファブリックは今年15周年ということもあって、ものすごく情報の発信量が多い。
10月にある大坂城ホールでのスペシャルライブをはじめとして、7月10日の志村さんのお誕生日には未発表であったツアーの映像を収録した「FAB BOXⅢ」がリリースされ、さらには過去作(1st「フジファブリック」~4th「CHRONICLE」まで)のリマスター盤の発売、ファン投票によるPLAY LIST ALBAM「FAB LIST 1」「FAB LIST 2」の発売…とファンにとっては嬉しくもあり、財布が心配にもなるお楽しみが盛りだくさん。
長らくスピッツという亀の如きバンドのファンをやっていたものとしては、フェス出演等含め諸々の情報量の多さだけでパンクしそう!!嬉しいけど!
もちろん周年だからということもあるんだろうけど、普通の(普通の?)バンドってみんなこんななの…?と供給の多さに戸惑いがちな今日この頃。
FAB LIST とは
さて今日は先日発表になった、ファン投票によるPLAY LIST ALBAM「FAB LIST」のファン投票の結果について書きたい。
ニワカファンなりに結構へーとかほーとか思う興味深い結果だったので。
このアルバムは2枚に分かれてリリースされることになっている。
これはレコード会社を移籍したからという理由が大きいんだろうけど、LIST1はEMI(現在のユニバーサル)在籍時のアルバム4th「CHRONICLE」まで。
LIST2は現在も在籍しているソニーからリリースされた5th「MUSIC」以降、となっている。
ちょうどフジファブリックというバンドの転換点にあたるなんとも絶妙な位置で分かれている。
ちなみにこの収録曲を決めるファン投票、私も投票した。
インディーズも含めたすべての曲のなかから3曲を選ぶという方式だったので、LIST1とLIST2の候補曲からそれぞれ3曲、計6曲にしてくれたらいいのに!!と思いつつ3曲選んだ。
これ、古いファンの人ほど悩んだんじゃないかな。
私でさえ、志村さん時代の曲ばかりとか、山内さんボーカル時代の曲ばかりとかにするの、申し訳ないような気持ちになってしまったから。
本当はそんなの関係なく好きな曲を選ぶべきなんだろうけど。
まあでもそんな話は置いておいて、その結果が発表されたので触れてみます。
ちょっと順序は逆になってしまうけれど、今回はLIST2に選ばれた曲たちについて。
あくまでニワカファンの思った戯言として捉えてください。
FAB LIST2に選ばれた曲(ソニーからリリースされたもののうちベスト15)
- Green Bird
- LIFE
- 徒然モノクローム
- 会いに
- Water Lily Flower
- 手紙(Album ver.)
- 夜明けのBEAT
- STAR
- 破顔
- ブルー(Album Version)
- ECHO
- 東京
- はじまりのうた
- カンヌの休日 feat.山田孝之
- フラッシュダンス
まず思ったのは「やっぱりそうなんだな」ってこと。
ファンになったきっかけとか諸々は過去記事を参照していただくとして、
ざっと聴いていった時に「あ、これはすごく良い曲だな」って思った曲があらかた入っている。
「Green Bird」と「手紙」「LIFE」「Water Lily Flower」は初めて聴いたとき理屈抜きですごく良いと思った曲だった。めちゃくちゃ納得。
それプラス、バンドにとって転機となった曲がきちんと入っているのが良い。
昔から応援している人にとっては、やっぱり「会いに」「STAR」「ECHO」は絶対に入っていてほしい曲だろうし、私も当然入るだろうと思っていたから。
特にファンではない人が聞いたらなんでもない普通の曲なのかもしれないけど、フジファブリックというバンドの歴史においてとても重要な曲たち。
そして最新アルバム「F」からも「手紙」「破顔」「東京」の3曲が入っているところがすごく素敵だ。
これは私の個人的な感想ではあるけれど、最新アルバム「F」はバンドの集大成ともいえる内容で、バンドの歴史やメンバーの思いとリンクしているように感じられる。「F」に収録されている曲は今のフジファブリックの音や歌詞だけれど、そこには志村さんもいるという感覚がするアルバムだと思う。
もちろん3曲とも、そういう思いを抜きにしても良い曲なのも間違いないし。
他にも新体制になってからの最初のシングル「徒然モノクローム」や、志村さんが亡くなった後に「モテキ」の主題歌として採用された「夜明けのBEAT」(LIST2では唯一志村さんのボーカルが聴ける曲)、10周年の記念曲として作られた「はじまりのうた」なんかも入っててすごくいい選曲だなあと思うのです。
「FAB LIST 1」についてはまた後日。
蛇足
ちなみにここからは本当に蛇足だけれど、私が投票した曲についての話を。
3曲のうち2曲は、「2」のリスト、つまり新体制になってからの曲から選んだ。
1曲は「手紙」、もう1曲はアルバム「Voyager」に収録されている「透明」という曲。残念ながら「透明」はTOP15に入らなかったけれど、そこそこ結構良い順位だった。
淡々と続くベースの音に乗せて歌われる曲でコード進行もほとんどない曲。
山内さんが作詞作曲した「透明」の歌詞の一説はこうだ。
遠くで消えて行く 見えなくなる 青く染まる
振り返った街の方も似たような朝がくる
水平線の向こう 波に弾もう 踊るように
飛び出そう!違った未来は透き通っていて透明だ
ちょっと「手紙」なんかにも通じるような世界観の曲。そして歌声がとにかく優しい。
私が好きな山内さんが作る歌のモチーフには「喪失」をテーマにしたものが多い。
まあ、どんな人の曲にもひとつはこういうテーマの曲があるとは思うんだけど、「喪失したことは喪失したままで、でも進まなくてはならないこと」を歌うフジファブリックにはめちゃくちゃ説得力があってぐっとくるんだよねー。