思い起こせば3月の話。
唐突にフジファブリックのファンになった。
そしてその経緯というか、気持ちを残したいと思うようになって、これまで書いてみようと夢にも思わなかった“ブログ”というツールを使い始めた。
果たして誰に向けて書いているのか、自分でもよくわからないのだけれども。
ちょっとした自己紹介も兼ねて自分の話をするならば、私は高校生の時に「ハチミツ」というアルバムに出会って以来のスピッツのファンである。
スピッツをきっかけに、ものすごく多いというわけではないけど人並みには音楽を聴いてきた。
だからもちろんフジファブリックというバンドのことは、彼らのメジャーデビュー曲である「桜の季節」がリリースされた時から知っていた。
志村さんの声や歌い方とか曲も含めてなんか変わってるバンドだなあというくらいの認識で、当時スピッツ主催のイベントで志村さんとマサムネさんが一緒に「若者のすべて」を歌ったりしていたし、そこそこ聴いていたけれど、志村さんが亡くなって以降のフジファブリックは聴いていなかった。
…たのだけれど、10年の時を経て、フジファブリックが好きになった。
志村さんがいた頃も、今現在山内さんがボーカルになってからの曲もどちらも好きだ。
きっかけは、3月頃にきのこ帝国の曲を聴いてみようと思ったこと(なんじゃそらって感じだけど。活動休止は残念です。)だった。
なぜきのこ帝国かという話は割愛するけれど、とにかくYoutubeできのこ帝国を検索して聴いたた中に「東京」という曲があって、その関連動画でフジファブリックの「東京」という曲が出てきたのがきっかけだった。
…邦楽に「東京」っていう曲多すぎない?
っていう好奇心でそのMVを開いてみたのが始まり。
そしたらなんか超絶かっこよくてでもちょっと変わった曲が流れてきたわけです。イントロからして超いけてる。
えっ?これが今のフジファブリック?って。
それで今のフジファブリックはちゃんと聴くべきバンドなのかもしれないと思い、すぐに最新アルバム「F」を入手した。
これがもう全曲すばらしい。語彙力や音楽の知識がないのでこの気持ちをうまく表現できないけど、9曲飽きずにずっと聴けてしまう。
最初に好きになった「東京」はもちろんだけど(東京はアウトロがあっさりしてるところもまたかっこいい)、「手紙」や「破顔」といった切ない気持ちになる美メロのミディアムナンバーは歌詞も含めて感動的だ。
他にも「恋するパスタ」みたいなただただ幸せな気持ちを歌ったハッピーな歌もあれば、「High&High」のようなロックナンバー、「LET'S GET IT ON」や「Feverman」のようなちょっと変わった曲もある。どれもすごくキャッチーで、良い意味でちょっと変わっていて、一気に好きになってしまった。
そこから私の知らない2011年以降のフジファブリックの曲を遡って順に聴き、さらには志村さん時代の懐かしい曲も聴いた。志村さんの時代の曲も当たり前だけれどすごく良い。というか今よりもっとへんてこで中毒性がある。
昔の曲は聴いたことがあるものも多いのに、なんでこの良さに当時気づかなかったんだろう?
今さら言うまでもないけれど、なかでも「銀河」はイントロのギターから曲の展開、不思議な歌詞から、終盤に入る変な転調まで含めて完璧な超名曲。
(スミス監督の変なMV含めてすごい。フレデリックの「オドループ」と似てると思ったら同じ監督だった。)
志村さんの曲は予想がつかない展開をすることが多くてびっくりする。
「東京炎上」は、メロの展開はゆっくりしてるのにサビになったらいつのまにかとんでもない歌詞とメロディーになってシャバダバいったりしてて「あれ?こんな曲だっけ??」ってなるし。
「モノノケハカランダ」とかもギターのフレーズはかっこいいのに、よくわからない歌詞が乗ってる。でもピッタリというかあれしかないなって感じ。本当にすごい。
志村さんは天才だったんだなあって今更気づいた私は愚か者だ。
山内さんがボーカルになってからは、山内さんの甘く伸びやかな声を活かしたストレートでポップな曲が多い。
でも、私は今のフジファブリックの曲もすごく好きだ。
特にアルバムでいうと「LIFE」以降。このあたりから歌い方などに山内さんのパーソナルな部分が明らかに出てきている感じがして、清々しさを感じる。
それでいて、志村さんの頃からあるフジファブリック特有のちょっと変わった感じは継承されているとも感じる。
現在の体制になってからの曲には本人たちが意図したかどうかはわからないけれど、聴いていて志村さんのことを思い浮かべる曲もある。
「ECHO」や「light flight」といった曲。「手紙」もそうかもしれない。
でも、どれも悲しいだけではなくてこれからを生きていくというメンバーの温かい気持ちや確かな決意を感じる曲になっている。
「手紙」の最後 “離れた町でも 大事な友を見つけたよ じゃれながら笑いながらも 同じ夢追いかけて 旅路はこれからもずっと 続きそうな夕暮れ” というフレーズはとても響く。「東京」の “貫いた夢だけは あきらめるなよ友よ 瞬く東京”というフレーズと対になっていてとても沁みる。
これまでいろいろな葛藤や迷いもあっただろうと思う。ちょっとそういう部分が新体制になってからの初期のアルバムに出ているようにも感じる。けれど、それ以上にそれでもフジファブリックを続けると決めた3人の強さに感動を覚えてしまう。
本当に素敵な曲を作り続けているバンドだ。もっと早く気付けばよかった。
好きになったタイミングで15周年の記念ライブがあるということなので、ニワカファンではありますが大阪城ホールに行くつもり。
フジファブリックはどんな形で15年を振り返るのだろうか。楽しみだ。
あとは今年の夏フェス等(おそらくライジング)でも見る機会を作ることができそうなので、行ければ感想を書きたいと思う。
【以下は余談です】
MVやライブDVDなどを見ていくと、山内さんの顔が全部違って見えて本当に同じ人?ってなるのは私だけだろうか…。今はいい感じに老けたと思う。
リリースされている映像作品としては両国国技館での「虹」の演奏が楽しそうでとても好き。
最後に、上述した曲以外で好きな曲としては志村さん時代の曲としては「TAIFU」「地平線を越えて」「Anthem」等、山内さんでは「light flight」「透明」「Green Bird」あたりのバラードとかミディアムテンポの曲が特に素晴らしいと思う。
あとファンの方に怒られるかもしれないけど、「夢みるルーザー」からは個人的にスピッツの「恋する凡人」感を感じるのは私がスピッツ脳だからかな…(パクリとかそういうことじゃなくて、エッセンスが似てる気がするという意味です)。「夢みるルーザー」もとても好きです。