このブログをチラッと見た方は私がスピッツのファンである、ということはご存じかと思う。
高校生の時に出会ってそれ以来ずっとファンで居続けている。
前にも書いたような気がするが、ずっとスピッツより好きになれるバンドとか歌手って現れないのかな?って思って色々な音楽を聴いている。
けれど、スピッツに出会ったのが高校生の時というのもあり、思い出補正やらなんやらで私の中でのスピッツの価値が高まっているのもあって、幸か不幸か未だに「私的スピッツ以上」には出会っていない。
でもたまに、たまーーーーに、
もう少し生まれたのが遅かったなら、このバンドの大ファンになっていたのでは!?
と思うバンドには出会うことがある。
そして、ここ何年かで一番そう思ったのは My Hair is Bad (以下マイヘア)である。
マイヘアを初めて聴いた時、今の若いバンドマンってこんなストレートなギターロックに乗せてこんな生々しい(と私には思える)こと歌っちゃってんの!?と衝撃を受けた。
私が知らないだけかもしれないけれども、マイヘアの椎木さんほど赤裸々な詞を書く男性ミュージシャンはなかなかいない気がする。
表現が難しいのだけれど、マイヘアの曲からは息遣いを感じるというか。
歌詞を追いながら曲を聴いていると、私小説を読んでいるような、男性の日記を盗み見ちゃったような背徳的な感じがするし、なんかドラマや映画的でもあると思う。
マイヘアの代表曲「真赤」。
心の移り変わりを表す過程がすごく映像的だし、その場面が見えるようにも感じる。
めちゃくちゃ刺激的な表現とかないのに(あ、でも歌い出しが「ブラジャーのホックを外すとき」からはじまるのはちょっと刺激的かも?)、ドキッとしてしまう。心の柔らかい部分を刺激してくる感じ。
一方でバンドの奏でる音はバリバリのギターロック、ライブでみても轟音を奏でるバンドでありながらメロディーラインがとにかくきれい。
そしてそこにちょっとメンヘラちっく(ファンの方に怒られそうだけど、、)な歌詞が乗ってるの、なんかいいなあと思う(褒めてます)。
歌詞に出てくる物の表現や単語の使い方がうまいよね。
“ブラジャーのホック” ”合鍵” “空っぽのコルクボード” ”首輪”
こういう言葉だけでその場面の映像や心象風景が浮かんでくる。そんなところが映像的な感じがする理由なのかも。
最近の曲だと「予感」が好きだ。
この曲ではコロナ禍のまさに「今」が歌われている。これも冒頭の“オリンピック中止”っていう言葉の強度がすごい。
やっぱりこれも失恋の歌だと思うんだけど、メロディーがめちゃくちゃ綺麗なところが喪失感につながっている感じ。
あとは「味方」もいい曲だなあと思う。好き。
観念的なことを歌った一見美しい歌詞でロマンチックな曲って世の中に溢れているけれど、My Hair is Badの曲こそとてもロマンチックだよなあと思ってしまう。
さっきメンヘラって書いてすみません。ロマンチストが正しい表現だった。
そんなところに惹かれるのかもしれない。
あとライブでその時しか聴くことができない「フロムナウオン」みたいな曲があるのも一期一会ですごく良い。今年のビバラロックでも聴けて嬉しかった。
ちなみに個人的には『mothers』というアルバムに収録されている「関白宣言」という曲がとても好き。
マイヘアの客層、ものすごーーーく若そうで単独ライブとか行くの尻込みしちゃうんだけど、行きたいな(イベントやフェスでしかみたことがないので)。
とりあえず、今年の有明サンセットで観られるのでとても楽しみ。