徒然とエモーション

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スピッツのニューアルバム“見っけ”を聴いた~感想その③ラジオデイズ、花と虫、ブービー

「見っけ」の収録曲感想、このままじゃいつまでたっても終わらないので、ちょっとペース早めていくことに。

 

04.ラジオデイズ

タイトルを観た時から、「ロック大陸漫遊記」の影響が大きいんだろうなあとは予測していたけれど、予想以上にラジオ愛溢れる曲だった。

選ばれたのは 僕じゃなくどこかの貴族

嫌いになるために 汚した大切な記憶

 音も重いし暗い始まりだけれど、だんだんと爽快なメロディーになっていくところが良い。

そんな日々を拓く術を 授けてくれたのはラジオ

したたかに胸熱く 空気揺らしてくれるラジオ

私もラジオ大好き。ラジオって基本的には一人で聴くものだけど、でも一人じゃないというか。全然知らない人の手紙やメールに、ラジオを通して同じ気持ちを共有したり笑ったりできるなんだか不思議なツールだと思う。

サウンド面に関しては、オーソドックスなスピッツエイトビートのロックナンバーでとっても聴きやすい。あと、崎ちゃんのドラムがめっちゃカッコいい。

間奏に「ロック大陸漫遊記」の放送だと思われる声を入れてるところもすごくいいなあって思う。間奏に入るときのピーって音とか間奏に入るシンセの音(かな?)なんかもすごくラジオっぽい。radikoじゃなくて、チューニング合せて聴くラジオって感じなところにこだわりを感じた。

スピッツのオンラインメンバーズで、珍しくマサムネさんが歌詞について言及した曲でもある(「選ばれたのは 僕じゃなくどこかの貴族」の部分)。

ちなみに世代的にラジオってタイトルに付く曲といわれたら、JUDY AND MARYの「RADIO」が一番に思いつきました。これも名曲。 

RADIO

RADIO

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05.花と虫

MUSICAという音楽雑誌の中で、実は最初この曲がNHKの朝ドラの主題歌候補として製作されたということが話されていて意外に思った曲。

オープニングがアニメ映像に乗せて流されることを知って、この曲ではなく「優しいあの子」にしたということらしい。

そう言われてみれば、三輪さんの流れるようなアルペジオが全編にわたって響いていて、その意味でもスピッツらしい美しい曲。

もし朝ドラの主題歌になっていたとしたら、もっとポジティブな歌詞になったと思うとも話していたけれど、あまりポジティブな歌詞が乗っているところが想像できないというか、そのくらい切ないメロディーでもある。 

花と虫

花と虫

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 「見っけ」から「ラジオデイズ」までの4曲が強めの曲なので、意外とさらっと聞き流してしまいがちだけど、意外と一番スルメ的な曲かもと思ったり。

過去とか置いてきたものとか気になるけれどもう戻れない、という決意のようなあきらめのような切なさのある歌詞も含めて“スピッツ節”が味わえる1曲だと思う。

 

06.ブービー

全体的にポップなアルバムの中にあって、ちょっと雰囲気の違うほんのりサイケデリックな曲だなあと思っていたら、やはり一番最後にできた曲だったらしい。

こういう雰囲気の曲作るバンドって私の知る限りあんまりいない(プログレっぽいとか、そういうのはあるけど)気がする。そのあたりもスピッツらしいところなのかもしれない。 

サビとなる部分は「い」音で終わるよう韻が踏まれているところも心地よい。 

ブービー

ブービー

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宇宙から来た 僕はデブリ

このあたりの言葉選びはいかにもスピッツ!という感じ。

弱くてかっこ悪い自分をさらけ出してロックを鳴らす感覚がここにも感じられる。

当たり前だったら恥ずかしいんだけれど、「ブービー」ってやっぱりブービー賞のブービーなのかな?