徒然とエモーション

ブログって誰に向けて書くものなんでしょうね?と思いながら音楽とか本とかについて、自分でもよくわかっていない誰かに向けて書くブログです。

ライジングサンロックフェスティバルの無駄に長い感想

 

 

残念ながら16日は中止となってしまった今年のRISING SUN ROCK FESTIVAL

17日は無事に開催されたので行ってきた(もともと私は17日だけ参加だったのですけどね)。

 

16日中止の影響からか、まず駐車場に入るのに渋滞・渋滞・渋滞。

例年渋滞するけど、17日だけってことになって集中したせいもあっていつもの倍以上渋滞していた。駐車場に入るまで実に3時間かかった。

台風の影響で17日のスケジュールが少しずつ短くなり、私が目当てにしていたRED STAR FIELDのフジファブリックは13:40~に変更になっていた。

でも変更じゃなかったら間に合ったか微妙なくらいだった。間に合ってよかった。

FORESTゲートから入場してRED STAR FIELDを目指す途中に物販ブースがあるのだけれど、間違ってELLEGARDENの物販列に紛れ込んでしまった。

 

グッズも見たかったけど、いきなり荷物増えるのもアレなのでひとまず素通り。

さてここからはかなり偏った感想です。

 

フジファブリック(RED STAR FIELD)

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着いた時ちょうどサウンドチェックをやっていた。

金澤さん、加藤さん、サポートドラムの玉田豊夢さんという山内さん以外のメンバーはすでにステージ上に。山内さんのギターはスタッフの方がチューニング。

空は台風一過でカンカン照り。とっても暑い。

ぼんやりサウンドチェックを見ていると、金澤さんがマイクで「1曲流してチェックするので歌ってもいいよ」的なことをお話されて(言葉は正確ではないかもしれません)、「夜明けのBEAT」がボーカル無のフルコーラスで演奏されて既にここからテンションが上がる。

サウンドチェックが終わった頃、私は走ってタワレコのCD直販ブースへ。

今日この直販ブースでFAB LISTの予約をすると、フジファブリックの直筆サイン色紙がもらえる特典があるのだ。このブースはサンステージの端っこの方にあるので本気で走った。なんとか間に合って無事予約完了。特典ももらうことができた!お宝!

 

フジファブリックの裏は怒髪天、オメでたい頭で何より、KANといったメンバーだったのだけれど、RED STAR FIELDもたくさんの人が集まっていた。いよいよ始まるという期待感が渦巻いている。

WESSの担当者の挨拶のあと、さらっとステージに登場したフジファブリクのメンバー。そしておもむろに鳴らされたイントロは「STAR」だった。皆聴き入る感じだったけれどサビの部分からだんだんと観客のテンションが上がっていくのが感じられた。

続いて演奏されたのは「sugar!!」。わぁっという歓声があがる。

イントロの印象なシンセのメロディーにあわせて手拍子が起こり、サビでは山内さんのボーカルにあわせて多くの人が歌っていた。私の隣にいた男の人も「sugar!!」だ!と声を上げていた。珍しく加藤さんによる煽りが入る。

やっぱり志村さんボーカル時代の曲の方が知られているんだなあと思ったけれど、続く「LIFE」「東京」もとても盛り上がっていた。今のフジファブリックの曲もやはりとても良い。

この日も「東京」ではラップをやっていて、観客に謎のどよめきがはしっていて面白かった。私は勇気あるなあと思ってみていたけど(失礼)、結構うけてたので良かった。

 

そして最後の曲として演奏されたのが若者のすべて

先日ミュージックステーションでの印象的なパフォーマンスがあったばかりで、これを期待して来た方も多かったのだろうと思う。後ろの方から観客の合唱が聞こえる。

普段のライブで歌われたらすごく嫌なんだけど、フェスだと合唱も楽しいと思える。

フジファブリックの曲が、志村さんの作った「若者のすべて」が多くの人に歌われているという事実に嬉しくなってしまった。

こんな瞬間があるから、フジファブリックのメンバーにはバンドを続けてくれていてありがとうと心から思う。

夏の終わりの北海道の野外でこの曲を聴けて幸せ。 

若者のすべて

若者のすべて

  • provided courtesy of iTunes

 【セットリスト】

01.STAR 02.sugar!! 03.LIFE 04.東京 05.若者のすべて

 

崎山蒼志(BOHEMIAN CIRCUS

本当はこのままRED STAR FIELDに残ってAimerを見るか、サンステでクリープハイプを見ようと思っていたのだけれど、フジファブリック前の全力ダッシュとライブでのテンションMAXにより既に疲労困憊してしまった。

持っていた飲み物もすべてなくなってしまったので、いったん離脱して少し休憩。

ちょうどその時に崎山蒼志のステージが行われていた。

ライジングで一番小さなステージと言えるかもしれないけど、ものすごくたくさんの人が集まっていた。彼の魅力はその独特の声とメロディー。これからもっと大きなステージに立つ人になるんだろうなと思いつつ聴き入ってしまった。

 

BEGIN(RED STAR FIELD)

the telephonesを見に行こうと思っていたのだけれど、まだ体力が回復せずEARTH TENTへ行く元気がでない…ということで再びRED STARに戻ってきて遠くからBEGINのステージを見ることにした。

BEGINはバンドとしての力量が圧倒的にすごくてお客さんの心をあっという間につかんでいく。

曲紹介も面白くて、「次はブラジルの肉料理の歌です」とか独特の沖縄訛りでお話されるのに癒される。

海の声」「オジー自慢のオリオンビール」「島人ぬ宝」「涙そうそうなど誰もが知っているヒット曲もたくさんあって、観客はカチャーシーを楽しそうに踊って、ハッピーな空気だったのも印象的だった。 

島人ぬ宝

島人ぬ宝

  • BEGIN
  • ワールド
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

  【セットリスト】

01.海の声 02.お嫁においで 03.churrasco 04.砂糖てんぷら 05.国道508号線

06.オジー自慢のオリオンビール 07.島人ぬ宝 08.かりゆしの夜 09.涙そうそう

 

東北ライブハウス大作戦 ヤマサキセイヤ弾き語り(RED STAR CAFE)

ゴスペラーズがRED STAR FIELDでサウンドチェックをしていた頃、そのすぐ後ろのRED STAR CAFEではキュウソネコカミのボーカル、セイヤが弾き語りで登場!

一人でアコギを持ってキュウソの「TOSHI-LOWさん」やBUMPの「とっておきの唄」やRADの「光」などを歌っていた。

ゴスペラーズのリハの音が結構すごくて「俺、あれに勝てるかなー」とかっていいつつ、ちょっと間違ったりもしながら楽しいステージ。

こういうゆるさやお決まりでない感じがフェスらしくていい。

 

Homecomings(BOHEMIAN GARDEN)

京都で結成されたバンド、Homecomings。ライブは初見、というかほとんど聴いたことがなかった。

夕暮れ時の一番いい時間、透明感のあるきれいな声でゆったりと時間が流れていくのが心地よかった。MCは男性メンバーの方が話していたんだけれど、失礼ながらMCがちょっと滑っていて、ボーカルの女の子に何度か突っ込まれていた。

苫小牧の友人に向けて作ったと言っていた曲がよかったな。

 

真心ブラザーズ~石狩フォーク村~(BOHEMIAN GARDEN)

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このへんから体力が回復してきたので、前方エリアへ移動。

ステージから大体4列目くらいの下手側で楽しんだ。

倉持さんと桜井さんによるテーマソングとお二人による「軽はずみ」の歌唱のあと、一人目の旅人(ゲスト)はフジファブリック山内総一郎

歌ったのはイルカのなごり雪

山内さん的にはフォークと言えばイルカかボブ・ディランだったらしい。衣装はさっきと変わって襟抜きのダンガリーシャツと中に白いタンクトップ、レンガ色のワイドパンツを穿いていたのだけれど、とてもよく似合っていて若く見えたな。

倉持さんはハーモニカを吹いて、桜井さんはギターとコーラス。 

真心の二人の間に立った山内さん、間奏で真心のお二人が楽器を披露しているのをニコニコの笑顔で楽しそうに見ながら歌っていた。

歌い終わって山内さんがステージを去った後、桜井さんが「総ちゃんのモテに協力しただけだったような…」と言っていたのが面白かった。

 

2人目の旅人はGRIM SPANKY松尾レミ。カバーしたのは「プカプカ」

生で聴くレミちゃん、ちょっとハスキーというか独特で本当にいい声。プカプカによく合っている。歌手として生まれてきた人なんだなあと感じさせる、第一声で人を自分の世界に引き込む力を持った声だと思った。

 

3人目の旅人は銀杏BOYZ峯田和伸。最近は俳優業での活躍が目立っているけど、今日は歌手としてこのステージに立っている。カバーしたのは井上陽水「帰れない二人」

歌う前のMCがハチャメチャで、倉持さんに「楽屋で某宗教団体から友人を脱退させたとある人の話が凄かったので話したい!」みたいなことを突然言い始めて困惑させていた。知ってたけどやっぱり変な人だなと思う。

でも歌うとこの人も人を引き付けるオーラみたいなものが放射されていて、峯田の歌に感動してしまった。井上陽水という選択もすごくあっていたと思う。

 

最後の旅人は今回表に出てくるのがお初の奥田民生

久々に生で民生を見たけど、老けたなあと思ってしまったw。

広島の英雄が広島の英雄を歌う、ということでカバーしたのは矢沢永吉「時間よ止まれ」吉田拓郎「結婚しようよ」

すでに酔っぱらっている感のあるOT、永ちゃんのカバーは変な物真似大会になっていて、大御所の余裕を感じた。やっぱり歌はうまい。

 

最後は真心ブラザーズ二人で彼らのデビュー曲「うみ」を歌い(30周年なんですって、すごい!)、旅人4人を呼び込んで「空にまいあがれ」を全員で歌って大団円。

「空にまいあがれ」の時、山内さんは最初一番下手側のマイクに立ったんだけど、スタッフに間違ってるよと言われて慌てて上手側に移動したり、最後の挨拶したとき、隣にいた桜井さんにぶつかってしまって「あわわ…」と謝っていたり結構天然ぶりを発揮していたなあ。

先ほどのセイヤの弾き語りもそうだけれど、フェスならではの特別なとても楽しいステージ。選曲もどれも良く、終わる頃にはすっかり日も暮れていた。 

空にまいあがれ

空にまいあがれ

  • provided courtesy of iTunes

 【セットリスト】

01.石狩フォーク村のテーマ 02.軽はずみ 03.なごり雪(feat.山内総一郎 by フジファブリック

04.プカプカ(feat.松尾レミ by GLIM SPANKY) 05.帰れない二人(feat.峯田和伸 by 銀杏BOYZ

06.時間よ止まれ(feat.奥田民生) 07.結婚しようよ(feat.奥田民生

08.うみ 09.空にまいあがれ(feat.全旅人)

 

キュウソネコカミ(EARTH TENT)

21時は何を見るか悩んでいたのだけれど、はじめはキュウソを見ようと思って、EARTH TENTに移動。

エルレの真裏のキュウソがどんなパフォーマンスをするのか興味があったし、私はエルレ世代ではないので、特別思い入れがあるわけではなかったから。

少し早めに行くと、すでにメンバーが出てきて、こっちに来いよ!損は絶対させないぞ!という気合が込められた本気のリハーサルが行われていた。

「裏被り、意識してねー」と叫び、観客に歌を歌わせ、キュウソのガチファン勢が大いに沸く。それを見て多くの人が走ってEARTH TENTに集まってきていた。

あー多分このステージ大丈夫だな、きっといいライブになるな、と思った通り、ELLEGARDENじゃなくキュウソを見ることを選んだ観客に向けての最高のライブをしてくれた。

1曲目はちょっと予想してたけどやはりサブカル女子」

こういうところが本当に最高。

「困った」ではセイヤが観客の上を歩きダイブ!

この後、少しはエルレ見ようかなと思って移動してしまったのだけれど、良いライブだった(ちなみにエルレは1曲だけ遠くから見たのだけれど、この時間トイレも食べ物やもすべてがガラガラだった、すごい)。 

サブカル女子

サブカル女子

  • provided courtesy of iTunes

 

青葉市子(TAIRA-CREW)

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TAIRA-CREWはキャンドル・ジュンがプロデュースするステージで、幻想的かつ素敵なライジング・サンにおいて至上のほっこりスポット。

一面に干し草が敷き詰められていて、観客はふかふかの乾草の上でお酒を飲みながらキャンドルに囲まれたステージを鑑賞できる。

森に囲まれたスペースなので、上を見上げると大きな木の葉が重なり合っていて、ミラーボールの明かりが星のようにキラキラ輝いている。

そこに流れる素敵な音楽。私はTAIRA-CREWが大好きなので、ここに好きなミュージシャンが出るのが心から嬉しい。

ちょっとスピリチュアルな空間で、青葉市子さんの優しく不思議な歌声。

大人の時間がゆっくり流れている感じの至上の癒し空間だった。ほっこり。 

テリフリアメ

テリフリアメ

  • provided courtesy of iTunes

 

山内総一郎 by フジファブリック(TAIRA-CREW)

そんな桃源郷のようなほっこり空間に、天然ほっこり男子である山内総一郎が「やっほー」という第一声で登場。相変わらずのゆるい雰囲気に思わず笑みがこぼれる。

始まる前にキャンドル・ジュンさんが出てきて、「TAIRA-CREWのステージには柵がない、警備の人もいないステージ、皆思いやって他のお客さんのために前に詰めてね」とお話されたこともあって前から2列目(山内さんから約3メートルくらいの近さ!目の前!)でゆっくりと座りながら観ることができた。

 

山内さんの弾き語りはユーミン「海を見ていた午後」のカバーで始まった。優しい世界に癒される。

「ここでは好きな曲のカバーを歌います。ゆるい感じでやるので、寝ててもいいですよ」と言って、次に披露されたのは知床旅情だった。北海道で歌いたかったそう。

さらに北海道出身のミュージシャンの曲をやりますと言って歌ったのがYUKI「プリズム」

「僕の歌はいいとしてもすごくいい曲ですよね。YUKIさんがソロになられてすぐくらいの曲なんですけど、再スタートという感じがすごくする」というようなことを話していた。フジファブリックも再スタートせざるをえなかったバンドだったから、そういうことを思いながら歌っていたのかもしれない。

 

そのMCの延長線上で、「バンドを仲間と続けることの難しさに直面することもあったけれど、背中を押してくれた恩人の曲を」と言って披露された曲のイントロを聴いて思わず息を飲んだ。くるり「奇跡」だ。

志村さんが亡くなり、フジファブリックが活動停止していた時に山内さんはくるりのツアーに参加していた。「奇跡」はその頃に作られた曲で、実際にCDとなっている音源のエレキギターを弾いているのも彼だ。

聴いているうちに涙がこみ上げてきた。優しい歌声。優しいギターの音色。

歌い終わった後、「イントロからぐっときてしまった」と本人が語ったように、優しく気持ちのこもった歌だったと思う。

ここ(TAIRA-CREW)では何でも話したくなるよねと言って、くるりの岸田さんが「総一郎、男になってこいよ」といって背中を押してくれたこと。ダイちゃんにも「総一郎を男にしてやれ」と言ってくれたエピソードに触れた。「僕たちみたいなバンドが世界にひとつくらいあってもいいんじゃないかな」との話にも思わず涙してしまった。

観客の男性から「続けてくれてありがとうございます」との声が飛び、「こちらこそ。こちらこそですよ。」と優しく返したところにも人柄が表れていた。

 

「どれにしようかなー」と譜面をめくりながら次に歌ったのはスピッツの「チェリー」

「チェリー」は初めてギターを持ってコピーした曲として山内さんががよく挙げる曲でもある。私もスピッツが大好きなので単純に嬉しい。好きな人が好きな人の曲を歌うというのは本当に素敵で楽しいことだ。

この時ギターにカメムシが乗っかってきて、山内さんはカメムシを乗せたままチェリーを歌う羽目になった。(このあとカメムシは山内氏の肩に移動して「このカメムシ俺のこと好きなんやなあ」と呑気に話していた。)

 

それにしても弾き語りを聴いていてギターが本当にうまいなあとつくづく感心した。

よく聴くとギターでアルペジオを奏でながら同時にベース音に当たる部分の音も弾いている。一人の人が弾いているのに、音が重なって聞こえるのだ。すごい。

 

スピッツで持ち時間は過ぎたようだったけれど、「もう1曲くらいいいよね。」と言って続けてくれた。

台風の影響でタイムテーブルが圧縮されて各ミュージシャンは10分くらいずつ持ち時間が減ったこと。本当はセットリストに入れていたけれど、削ることになったことを明かして、最後にフジファブリック「Water Lily Flower」を歌ってくれた。

もしかしたらフジファブリックサウンドチェックの時、山内さん抜きではあったけれど「夜明けのBEAT」をフルで演奏してくれたのも同じ理由だったのかもしれない。

 

この場所で山内さんの歌を聴いたことはきっとずっと忘れないと思う、そんな夢のような時間だった。 

奇跡

奇跡

  • provided courtesy of iTunes

  【セットリスト】

01.海を見ていた午後(松任谷由美) 02.知床旅情(森重久彌) 03.プリズム(YUKI

04.奇跡(くるり) 05.チェリー(スピッツ) 06.Water Lily Flower(フジファブリック

 

終わりに

もうすごい長文になってしまったし、書きたいことは大体書いたので今回はここまでにしようと思う。このあとthe pillowsフレデリックのライブも大変盛り上がっていた。

RISING SUN ROCK FESTIVALはとてもピースフルなフェスで楽しい。来年も行けることを願って。