徒然とエモーション

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スピッツのニューアルバム“見っけ”を聴いた~感想その② ありがとさん

02.ありがとさん 

ありがとさん

ありがとさん

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こちらも「見っけ」「優しいあの子」と同様、アルバムのリード曲としてラジオなどで先行でかかっていた曲。
初めて聴いた印象はいい曲だけどちょっと地味だなあと思っていた。


…のだけれど、何度か聞くと歌詞も含めてものすごく沁みる。
重めのギターに乗って鳴るピアノの旋律は、ギターやベースよりかなり高い音で一定のリズムを刻んでいて、ある種の緊迫感を感じる。
また、間奏部分も最近では珍しくピアノがメインになっているところも新鮮。

またメロディーも最近のスピッツの曲で特徴的な、サビにいきそうでいかない、あれ?どこがサビ?的な構成になっている。

近年の「みなと」だったり「優しいあの子」もそういう傾向の曲。

サビでガーン!とくるメロディーが流行の現在において、たぶんだけれど意図的にそういう構成にしているところもあるんだろう。早口で音数多い現在の流行とも対極にあるようなメロディー、やっぱりスピッツは攻めているなあと感じる。

 

ホロリ涙には含まれていないもの せめて声にして 投げるよありがとさん 

 

これが「ありがとさん」の1番の最後のフレーズ。たぶんサビにあたる部分。なんていいメロディーで、いい歌詞なんだろう。

 

先日、フラワーカンパニーズの30周年記念ライブでのフラカンスピッツの対バンを観に行った。
スピッツは夏フェス仕様のセットリストだろうと予想していたのだけれど、その予想をいい意味で裏切って、この日スピッツは「ありがとさん」を演奏した。
おそらくライブでは初披露だったはずだ。

 

ホロリ涙には含まれていないもの せめて声にして 投げるよありがとさん 

君と過ごした日々は やや短いかもしれないが

どんなに美しい宝より 貴いと言える

 

この最後のフレーズと、その余韻を乗せたアウトロがとてもかっこよくて、盟友フラカンの30周年をお祝いするのにとてもふさわしい曲のようにも感じた。

わりとスピッツの曲ってアウトロがあっさりしているのが多いけれど、この曲はアウトロまでずどんと心に響いてきて、すごく感動してしまった。