徒然とエモーション

ブログって誰に向けて書くものなんでしょうね?と思いながら音楽とか本とかについて、自分でもよくわかっていない誰かに向けて書くブログです。

ドラマsilentとスピッツと音楽

先日最終回を迎えたテレビドラマ『silent』

目黒連さん演じる佐倉想が中途失聴者の役ということもあってか、ドラマの中では言葉や音、思いを伝えるということに焦点が当てられているシーンが多かった。

 

主題歌はofficial髭男dism(主題歌の「subtitle」名曲だし、ドラマにぴったりだった)だけれど、劇中ではスピッツの曲が物語のキーになっていて、ちょこちょこスピッツの曲やCDなどが登場する。

ストーリー自体がとてもよくて(とくに奈々ちゃんのエピソードが好き)、それに加えて私はスピッツファンなので、ドラマの中でスピッツネタが出てくるとやっぱり嬉しくなってしまう。

あと想くんの実家の部屋のシーンとかあるとついついどんなCDあるかな?などと思ってCDのジャケットに注目しちゃったりとか。

川口春奈さん演じる紬ちゃんがタワレコで勤務している設定だとか“音楽”はこのドラマにおいてかなり重要な役割を果たしている。

 

なんとなく登場してくるスピッツの音楽たちや、音楽とドラマ内の時系列が気になったので、それについて少しだけ書きたい。

 

 

スピッツ「魔法のコトバ」(シングル・2006年リリース)

第1話から全編を通してちょこちょこと登場するスピッツの「魔法のコトバ」。このドラマを象徴する曲になっている。

 

高校生の時にスピッツを聴いていると言った想くんに紬ちゃんが「あれ好き、ハチクロのやつ」と答えるシーンで「魔法のコトバ」が流れる。

その後、想くんから理由がわからないままに一方的に別れを告げられた紬ちゃんが偶然駅で想を見かけるシーンなどは、曲はかからなかったけれど「魔法のコトバ」の「また会えるよ 約束しなくても」というフレーズと重なるように思えた。

劇中で紬と友人のやりとりでもこのフレーズを模したものがあったし、おそらく意図的に「魔法のコトバ」と絡めた演出をされていると思う。

この流れが一番美しく響いたのが最終話のラストシーン、想くんが紬ちゃんの耳元でなにかを言った場面。

魔法のコトバ ふたりだけにはわかる

夢見るとか そんな暇もないこの頃


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想くんが何といったのかはドラマの中で流れなかった。

何を言ったか視聴者には知らせないことで、視聴者の想像力をかきたてつつ、ふたりだけがわかる「魔法のコトバ」をふと思い出させるような素敵な演出だった。

 

ドラマの時間軸が現在(2022年)だとすると、想と紬は26歳なので1996年生まれということになる。リリースされた当時は10歳。ハチクロの映画、ギリギリ観ていてもおかしくない…かな。後から観たかもだけれど。

個人的には、「誰も知らない バレても色あせない」のフレーズとメロディーのマッチ度合が最高に気持ちよくて好き。

 

 

スピッツ「フェイクファー」(アルバム・1998年リリース)

このドラマ全体を象徴しているのは、前述した「魔法のコトバ」だけれど、たまに登場するアルバム「フェイクファー」の曲がふたりの関係の変化を表していたように思う。

 

かなり前半(2話くらい?)で、タワレコの視聴機で紬が聴いていたのがこのアルバムに収録されている「楓」

”さよなら 君の声を 抱いて歩いていく”という歌詞で、耳が聞こえなくなって紬ちゃんから離れていった想くんの心情を表しているかのような曲。


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少し進んだ第9話で紬と想がこのアルバムの歌詞カードを読んでいるシーンがある。

想の「フェイクファー」はケースが乳白色ぽい色をしているので、おそらく初回盤のもの。

想や紬は1996年生まれ?と思われるので、初回盤は想ママか想パパが買ったものなのか、あとから中古屋で手に入れたものなのか、と変なところが気になってしまった。

ちなみに想くんママが捨てようとしたCDの箱に入っていたスピッツの「インディゴ地平線」や「さざなみCD」も初回盤だった。インディゴ地平線にいたっては1996年リリース!!

スピッツの「フェイクファー」の歌詞カードの歌詞はマサムネさんの手書きの文字で書かれていて、ジャケットもめちゃくちゃ評判が良かった(モデルさんがとにかくカワイイ)ので、「歌詞カードで読むのが好き」というエピソードに出すのにうってつけだと思う。

 

ちなみに第9話で想くんは「スカーレット」「フェイクファー」のページを開いてるな、どっちを読んでいるのかなと思っていたら、最終回でちゃんとここが回収されていて、丁寧に作られているなあと感心してしまった。

最終話、紬ちゃんのことが好きゆえに一緒にいるのがつらくなってしまった想くんが紬ちゃんに聴かせた曲が「魔法のコトバ」から、”離さない このまま 時が流れても ひとつだけ 小さな赤い灯を 守り続けていくよ 喜び 悲しみ 心ゆがめても 寒がりな二人を暖めて 無邪気なままの熱で”と歌う「スカーレット」になるあたりも物語に沿っていて素敵だなあと思った。


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スピッツ「みなと」(シングル・2016年リリース)

第5話(だったかな?)で、紬がスピッツの「みなと」のイントロを聴いて、ふられてしまった湊斗を思い出して電話をする場面がある。

この時前の曲のアウトロから(私にはストレイテナーの「シーグラス」のように聞こえた)、スピッツの「みなと」のイントロに切り替わってしまうので、知らない人はスルーしてしまうようなちょっとした場面。湊斗くんの名前の由来はこの曲なのだろうか。

「みなと」は特にスピッツファンでもない知り合い2人くらいから「みなと」がすごくいいよね」と言われたことがあるくらいの隠れた名曲。

大切な人の幸せを願って行動する湊斗というキャラクターにピッタリな気がする。

ちなみに桃野奈々ちゃんは「ナナへの気持ち」のナナちゃんから!?とか思ったけど、こちらはイメージ違うかな。それか「桃」からとか??それはないか…。

 


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YUKI「うれしくって抱き合うよ」(シングル・2010年リリース)

第9話で想くんが実家の家族たちと笑顔で話ができるようになり、妹の萌ちゃんとお姉さんと3人でCDを棚に戻すシーン。

お姉さんがYUKIの「うれしくって抱き合うよ」を見つけて、「私の!こんなところにあった!」と言うのだけれど、お姉さんは想の2歳上だから、お姉さんが16歳位にリリースされてる感じ。そんなに違和感ないかな?

YUKIちゃんが好きなお姉さん」というだけで、なんとなくこんなお姉さんなんだろうな~って想像できる。

うれしくって抱きあうよ

うれしくって抱きあうよ

  • YUKI
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

kroi「Balmy Life」(2021年)

第10話で想くんが紬ちゃんの聴こえないことが悲しくて、紬ちゃんのワイヤレスヘッドホンを付けて音量をどんどん上げる場面。たぶんkroiのこの曲だったと思う。

紬はタワレコで働いている設定なので、バリバリみんなに浸透しているほどでもないけど音楽好きにはもう知られていて、今っぽくておしゃれな感じもあるしで、kroi出してくるの絶妙だなと感心した。

この曲の歌詞のちょっと投げやりな感じとかも、この時の想くんの心情にあっていてまた絶妙。

Balmy Life

Balmy Life

  • Kroi
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

想くんの持っているCDたち

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全体的にスピッツ多い。

パッと見てもハチミツ(初回盤)、色色衣、惑星のかけら、とげまる、隼、シングルのスターゲイザー、正夢がある。裏返ってるのはさざなみCDとかかな?

あと右端には8cmシングル時代の楓/スピカも見える(オレンジのやつ)

他に私が認識できるのは、the pillowsの「RUNNERS HIGH」(私も持っている)、ミスチルセカオワアジカンフジファブリックの「VOYAGER」と「LIFE」、とブルーハーツも多め?

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こちらの箱にはback numberとthe pillowの「PIED PIPER

ロックリスナーではあるけど、割とメロディー重視でポップな王道路線な好きなんだな〜〜と思ったりして。

フジファブリックも志村さん時代じゃないところ聞いてる系なんだな、とか変なところに注目してしまった。

 

まだいろいろ観きれていないところがあると思うので、録画をまた見てみようと思ってます。