徒然とエモーション

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再会へ!スピッツのNEW MIKKEツアーの感想

17日と18日に北海道真駒内セキスイハイムアリーナで行われたスピッツのNEW MIKKE TOUR2021に行ってきました。

北海道でのライブはブラックアウト(地震で2日間丸々停電した)のすぐあとのFM ROCK KIDS のイベント以来。そして残念ながら中止になってしまったMIKKEホールツアーの代替公演。

本当に本当に楽しみにしていて、ライブが始まったらどんな気持ちになるかなあと想像していたのだけれど、想像した以上に笑顔と涙でぐちょぐちょになってしまった。

 

 

まだツアーは宮城と大阪を残しているので、ネタバレ注意で以下感想です↓↓

 

 

 

 

ステージセットはMIKKEのアリーナ公演と同じ(に見えた)。

立方体の枠で積み上げられたセットは夜の都会のビル群のようにも見え、その中に映像が映るキューブ型のモニターが散りばめられている(最近ワールドトリガーに激ハマりしたのでトリオンキューブに見えて仕方なかった…)。

今回珍しくアリーナのかなり前方席だったので、まったく見えていなかったけれどマサムネさんが歌うマイクの前にはこれもアリーナ公演と同様(あまり使われないでおなじみの)お立ち台が設置されていた。

 

アルバム『見っけ』の曲ではアリーナ公演で観た時も思ったけれど、「まがった僕のしっぽ」が演奏・歌ともにすばらしい。

特に印象に残ったのはマサムネさんのボーカル。途中からガラッと曲調が変わり、テンポが速くなるところくらいからスタンドマイクを握って歌うのだけれど、そこの歌唱がとにかくカッコいい。正真正銘ロックバンドのボーカルだった。 

まがった僕のしっぽ

まがった僕のしっぽ

  • provided courtesy of iTunes

 

あとはやはり「快速」が楽しい。

音源を聞いていても間奏部分のベースが気持ちいい曲で、ライブになるとベースの田村さんとギターの三輪さんの音がより一層気持ちいい。

ライブ映えする曲なので、これからもちょこちょこライブで演奏してほしいな。 

快速

快速

  • provided courtesy of iTunes

 

そしてタナソーさんのpodcastを聴いて以来、「優しいあの子」ではドラムのリズムを意識して聴くことが多いのだけれど、やっぱり崎ちゃんの刻むドラムの音は粒だっている感じがする。

エスカルゴ」みたいなドラムが目立つ曲はもちろんだけど、「優しいあの子」においてもとても存在感がある。

 

2日目のアンコールのメンバー紹介の時に崎山さんが話した内容がとても印象的だったのでご紹介したい。

34年前に文化服装専門学校の夏祭りでライブをしたとき(34年前の7月17日この夏祭りでのライブがスピッツとしての初めてのライブ出演だった)、10バンドが出演してそのうち5つのバンドでドラムを叩いた。

部長をやっていたので自分の出演を1個おきにして、スピッツは一番最後の出演だった。終わった後に友達が「トッチー(﨑ちゃんのあだ名、栃木県出身だから笑)は最後のバンドが一番似合うね」って言われたんだよね。

 そのお友達すごい見る目あると思いません!?スゴイ!

 

 

ここまで順不同で感想を書いてしまったけれど、ちょっとセットリストの順番に戻します。

 

OPを飾る「見っけ」~「エスカルゴ」までの流れはアリーナ公演と同じ。

 

このまま同じ構成で行くのかな?と現実感のないままフワフワしていたところに来た「稲穂」で早くも涙腺が崩壊してしまった。

「稲穂」はイントロがなくマサムネさんのアコースティックギターと歌だけで始まり、Bメロからバンドのアンサンブルがガッと乗ってきて、楽しいリズムを刻む曲だ。

スピッツの曲らしくちょっと哀愁がありつつ「稲穂」という言葉のイメージから受けるような豊かさや美しさが表れている。サビではベースの田村さんも楽しげに体を縦に弾ませながら弾いている。

やっとスピッツのライブに来ることができたんだな、とこの時あらためて思ってそしたらなんだか無性に泣けた。

すごく切なく響く時もある曲だけれど、この日の「稲穂」には多幸感を感じたのでした。

稲穂

稲穂

  • provided courtesy of iTunes

 遠い国の景色 今 君に見せたい

最後の花火を二人で打ち上げようよ

 泣き笑いドラマよ続け 夕焼けが僕らを染めていた

 

 

ところで今回の札幌の会場は「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」。

1972年に札幌で開催された冬季オリンピックのために建てられたものでフィギュアスケートやアイスホッケーの会場になった場所。まあ言ってしまえば相当古い。

会場の印象としては大阪城ホールを二回りくらい小さくしたたような感じで、会場の天井にはちょっと不思議な円形のライトが複数設置されている。天井は平らではなくて波型のようにでこぼこ。メンバー曰く“昭和レトロ”な感じの雰囲気。

大昔、大学の友人に誘われてゆずを観に来て以来の会場だったのだけれど、マサムネさんが「音がいい感じに聞こえる」と言っていたり、テツヤさんに至っては「ラジオデイズの間奏は今まででここが一番映える」と言っていた。

なので、2日目の「ラジオデイズ」の間奏のときに天井を見上げてみたら、テツヤさんの言うとおりライトが独特の雰囲気の天井にあたる様子が確かにとても素敵だった。ステージからみるとまた格別なんだろうな。

 

かなり久々に聴けて嬉しかったのは2日目に演奏された「水色の街」

水色のライトのなかでミラーボールの灯りがキラキラ雫のように輝いて、まるで水の中にいるような美しい照明に照らされて、ゆったりとその中を泳いで進んでいくようなマサムネさんのボーカル。

そしてスピッツの楽曲の真骨頂であるテツヤさんのアルペジオ

この日34度まで上がった札幌の炎天下にフーッと涼しい風が吹き抜けていくようだった。 

水色の街

水色の街

  • provided courtesy of iTunes

 

青い車もメロ部分でアルペジオの旋律に溺れるような感覚を感じた。何年経ってもスピッツの夏の曲って言われたら、個人的にはこの曲が最初に頭に浮かぶ。

ちなみに1日目では「水色の街」のところは2ndアルバムの「プール」が演奏されていた。これも昔の曲だけれど夏らしい人気のある曲。

「プール」ももちろん嬉しいけれど、個人的には「夏の魔物」を夏の暑い時期に聞いてみたい。いつか叶うかな。

 

 終盤の「渚」「8823」「俺のすべて」がかかると否応なしにテンションが上がり楽しくなってしまうのはもはやスピッツファンの性かもしれない。何度聞いても盛り上がるし楽しい。

 

そして本編ラストは最新曲「紫の夜を越えて」

このツアーを締めくくるのにふさわしい曲だ。

コロナが変えてしまった私たちの日常。「もう前の通りには戻らないかもしれない」それは東日本大震災の時にも強く思ったことだった。

北海道に住む私にとっては数年前に起きた胆振東部地震による2日間に渡るブラックアウトも価値観を変える大きな出来事だった。

でもそうした出来事を経て、完全に前のとおりではないけれどまたライブに来ることができている。


www.youtube.com

紫の夜を越えていこう いくつもの光の粒

僕らも小さな ひとつずつ

なぐさめで崩れるほどの ギリギリをくぐり抜けて

一緒にいて欲しい 遠くまで 潤み始めた 目を開いて

紫色の夜を越えて

こうして私の大好きなスピッツのライブを観ることができているというその事実がただ嬉しかった。きっと紫の夜を越えていけるはずだと、スピッツの演奏を聴きながらそう思った。

 

アンコールは1日目が「群青」「猫ちぐら」「ヤマブキ」

2日目が「恋のうた」「野生のポルカ」「ヤマブキ」だった。

これも習性か「恋のうた」が演奏されると異常にテンションが上がってしまう。アンコールで聴けて嬉しかった。

あとなんといっても心の中では大声で歌ったけれど「野生のポルカも楽しすぎた。はやくみんなで"細道駆ける 最高の野生種に"って大声で歌える日がきますように。

 

以下印象に残ったMCなど

定番となりつつあるマサムネさんのプチカバー
1日目は優里のドライフラワー
サビの声張り上げるところで(キーが)高いと言っていたけれど、歌い出しのキーがそもそも高かったからではないかと思った。 

2日目はLiSAの「紅蓮華」
「優しいあの子」から徐々に最近のヒット曲に変わるというのを前やっていて、前はこんなの、といって米津玄師の「Lemon」を歌ってくれた。そこから去年だったらこれかなーといって「紅蓮華」を。
「来月ここ(真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)でLiSAさんがライブやるらしいのでよろしく言っておいてください…面識ないんですけど」と謎のMCをしていて笑ってしまった。

さらに「次はNiziUを歌います」と続けて、観客席が盛り上がるもテツヤさんに「NiziU」は腰がもたないから無理!と言われて終わった笑


2日目は会場名である「セキスイハイム」にちなんで、積水ハウスセキスイハイムのCMソングどちらも歌ってくれたのだけれど、この2つは全然別の会社だということです。マサムネさん曰く「セキスイハイム積水ハウススピッツSMAPくらい違う」とのこと。
ちなみに積水ハウスのCMソングの作者は小林亜星さん。亜星さんリスペクトです、ということで歌ってくれた。セキスイハイムのCMソングも歌って大盤振舞い。

 

田村さんは2日目のメンバー紹介のお話が面白かった。

田)「8823」の時(会場のスクリーンに)静止画が動くでしょ 
マ)静止画が動くの!?(←確かに言葉だけで聞いていたら変な感じ)
田)うんそう静止画がビューンて、みんなはわかるよね?
  その時、静止画は選べないからさ、たまに白目になってる時とかあって。

  今日の俺大丈夫だった?
会場)………(静止画がビューンて動くから白目かどうかわからない)
田)あと縦に4分割されてメンバーそれぞれが映る時、たいてい俺写ってないんだよね。マイクだけが写ってたりする
会場)………(リーダーいつも暴れてるからな…)

田)今度ワイヤーとかで客席でベース弾いてスピッツを観てみたいな
マ)俺も見てみたいな。スピッツの歌真似とかする人いるじゃない?その人に歌ってもらって客席から見たい
田)でももうそれスピッツじゃなくない?

このやりとり聞いてて田村さんわざとスクリーンに映らないようにしてるのでは⁉︎と思ってしまった。だって田村さんいつも4分割の時背中向けてたりするから…。

 

 テツヤさんは1日目のMCがめちゃくちゃ感動的で

「みんな力をもらったって書き込みとかしてくれるけど、俺らの方が100倍くらい力をもらって東京に帰ってる。そのことを忘れないでください、ありがとう」

(MCはどれも私の記憶なのでちょっと違うところもあるとおもいます。ご容赦ください)

って言ってくれて本当にファン冥利につきると思ったのでした。

 

上にも書いたけど崎ちゃんがスピッツが一番似合うドラマーで本当に良かった。

またお互い元気で次のライブを楽しめるよう願ってます。

 

マサムネさんの最後の「またお会いしますよ」が無性に嬉しかった。またお会いできる日まで。

 

セットリスト

01.見っけ
02.はぐれ狼
03.けもの道
04.エスカルゴ
05.稲穂
06.遥か
07.快速
08.放浪カモメはどこまでも
09.ワタリ/点と点
10.ラジオデイズ
11.優しいあの子
12.ヒビスクス
13.プール(17日)/水色の街(18日)
14.まがった僕のしっぽ
15.青い車
16.YM71D
17.ロビンソン
18.ありがとさん
19.楓
20.渚
21.8823
22俺のすべて
23.紫の夜を越えて
EC1.群青(17日)/恋のうた(18日)
EC2.猫ちぐら(17日)/野生のポルカ(18日)
EC3.ヤマブキ