スピッツのリモートによる新曲「猫ちぐら」
6/14の草野マサムネのロック大陸漫遊記は「日本のロック最盛期1999年で漫遊記」という放送回だった。
1999年といえばスピッツがお正月に『99ep』をリリースした年。そしてスピッツの中でもっともオルタナ感の強いロックなアルバムである2000年の『隼』に繋がっていく年でもある。
ちなみに世の中的なこの年のヒット曲はGoogle先生によると、GLAYの「Winter,again」や19の「紙ヒコーキ雲 くもり空わって」とかB'zの「ギリギリchop」等らしい。これもどっちかっていうとロックぽい曲が多いのね。
個人的にも1999年と言われて頭に浮かぶのは今回のテーマどんぴしゃのNUMBER GIRL、くるり、椎名林檎、宇多田ヒカルあたり。今回かからなかったけれど、SUPERCARとかもこの頃メキメキ人気が出てきたバンドだったと思う。
マサムネさんご自身も今回のラジオで『隼』のできた経緯についてうっすらだけどお話されていたのが興味深かった。
さて、前置きは置いておいて今回のラジオではなんとスピッツがリモートで作った新曲が冒頭で流れた。
スピッツが!リモートで!!新曲!!!
正直驚いた。
タイトルは『猫ちぐら』。
『猫ちぐら』が何か知らなかったので、聞いた時は頭のなかはひらがなで「ねこちぐら」という言葉が浮かんで???状態だったのだけれど、ググってみたところ天然の藁で作られた猫のお家のことみたい。
スピッツ流“STAY HOME”を表した言葉が“猫ちぐら”ということなのかもしれない。
とはいっても直接的にSTAY HOME的な表現はないけれど、でもスピッツからの優しいメッセージを感じるような楽曲になっている。
ラジオという環境だから、サブスクやCDで聞くパキッとした音とは違った温かみのある音。
マサムネさんのボーカルに重ねられた、アルペジオのギターの音、跳ねるように歌うベースの音、温かく刻まれるドラムの音。ああ、私の好きなスピッツだなあと思った。
歌詞もすごく素敵だ。
作りたかった君と小さな猫ちぐらみたいな部屋を
斜め方向の道がまさか 待ち構えていようとは
このあたりは「ロビンソン」の”誰も触れない二人だけの国”みたいな感じもする。
そして『見っけ』に収録されている「ありがとさん」のようにちょっと死を思わせるような歌詞が印象的。
驚いたけどさよならじゃない 望み叶うパラレルな世界へ
明日はちょこっと違う景色書き加えていこう
でも暗い歌詞というわけではなくって希望も感じる。
続いた雨も小降りになってた
お日様の位置もなんとなくわかる
寂しいけれどさよならじゃない
望みかなうパラレルな世界へ
願わくば優しい景色書き加えていこう
※ラジオの聞き取りなので実際とは違うかもしれません
続いた雨が晴れるとかじゃなくって、「小降り」になるっていうその加減がすごく好きだなあ。「お日様の位置もなんとなくわかる」っていう表現とかも、すごくいい。
希望とかそういうものを示すのにこういう言葉を使えるセンスがほんと天才的だなあといつも思う。
ちなみに中島みゆきの曲にも『ねこちぐら』という歌詞がある様子、歌詞検索したらこちらも面白そうな歌だったので後で聞いてみよう。
「ロック大陸漫遊記」放送されてから1週間はradikoで聞けるので、聞いていない人にはぜひともお勧めしたい。radiko大好き。
ちなみに新曲以外にも、ミッシェルガンエレファントの「スモーキン・ビリー」→椎名林檎「正しい街」→ハイスタ「STAY GOLD」→ナンバガ「透明少女」→くるり「街」→The Mad Capsule Markets「PULSE」→BRAHMAN「DEEP」と畳みかけるロックな選曲もめちゃくちゃ良い。