徒然とエモーション

ブログって誰に向けて書くものなんでしょうね?と思いながら音楽とか本とかについて、自分でもよくわかっていない誰かに向けて書くブログです。

スピッツ 横浜サンセット2013-劇場版 のこと

 

スピッツ 横浜サンセット2013-劇場版』YouTubeで公開された。

 


『スピッツ 横浜サンセット2013 -劇場版-』

 

これは2013年に横浜の赤レンガパーク野外特設会場で行われた一夜限りのライブを劇場版にしたもの。劇場版の上映当時から「DVD化はありません」とアナウンスされていたし、現実的にこれまで製品にはされていない。

確か、マネージャーの坂口さんがマサムネさんが歌詞を間違ったり(「ハチミツ」の初めのところ)演奏にミスがあったりして製品にするにはちょっと、みたいなことを仰っていた気がする。

 

まあ、確かにそうなのかもしれないけど、でもこのライブは本当に特別で素敵なライブだったのだ。だからもう2度と観られないかもしれないなんてもったいないなあと思っていた。コロナ禍のなか楽しんでもらおうというスピッツサイドの想いなのだろう。YouTube公開は素直にうれしい。

 

 

ちなみに私はこのライブは現地にて参加した。

確か前日くらいに台風が来て、天候が心配されていたけれどライブ中は奇跡的に雨は降らず、でもすごく蒸し暑い日だった。

横浜の海のすぐそばという最高のロケーションで、暮れていく空をバックに鳴るスピッツの音楽を聴いた最高の1日。

セットリストもこのころリリースされたばかり(直前だったかもしれない)のアルバム『小さな生き物』からの曲と夏の野外ならではといった選曲で特別感がある。

ステージ上に掲げられた『小さな生き物』の曲たちをテーマにしたモチーフが風に揺れてきらきら光ってとてもきれいだった。

 

1曲目が「恋のうた」だったのが、さらに懐かしの小岩井での雨の野外ライブを思い出しながら聴いていたことを覚えている。 

恋のうた

恋のうた

  • provided courtesy of iTunes

 

ところでこのライブでは「夏が終わる」という曲が演奏された。

「夏が終わる」をライブで聞いたのはおそらくこの時が初めてでとても嬉しかったのだけれど、YouTubeの映像を見てあらためてオシャレなアレンジの曲だなあと思った。

イントロの始まりから全編にわたって刻まれるギターの♪チャラララララ チャチャー♪のリズムとか大瀧詠一さんの曲みたいなシティーポップっぽい感じ。

この「夏が終わる」は『Crispy!』という4枚目のアルバムに収録されている。『Crispy!』は笹路正徳さんとスピッツが売れ線を狙って初めて組んだアルバムだったこともあり、これまでのアルバムと比べるとがらっとアレンジの感じが変わっている。そのこともあってか、少し評価が低いアルバムになっている印象で、あまりライブで演奏されないイメージがある。

原曲では大々的にストリングスが入っているけれど、「夏が終わる」のライブのアレンジが凄く好きなので、もっとライブで『Crispy!』の曲もやってほしいなと思った。今のスピッツアレンジで「裸のままで」とか聞いてみたい。 

夏が終わる

夏が終わる

  • provided courtesy of iTunes

 

この日の個人的ハイライトはファーストアルバムからの「月に帰る」

どこか神秘的なこの曲のフレーズとマサムネさんの声がもう暗くなってしまった空に響いて、力強く素晴らしい演奏になっている。

映像でも見られるけれど、「月に帰る」の演奏が終わった後スクリーンに映し出された月が美しく感動的だった。

曇天のなかこの瞬間に月が見えたのはすごく奇跡的なことに思えた(この翌日はまた土砂降りで、この日雨が降らなかったのは本当にすごいタイミングだった)。

それにしてもしかし、ファーストアルバムからこんなクオリティの曲を作って歌っていたのだと思うとあらためて感心してしまう。ちなみにこの「月に帰る」はギターの三輪さん作曲である。 

月に帰る

月に帰る

  • provided courtesy of iTunes

 

「夏が終わる」もそうだけれど、本編ラストの「海を見に行こう」あたりの選曲にも夏の野外、それも横浜を意識した感じがある。 

海を見に行こう

海を見に行こう

  • provided courtesy of iTunes

 

アンコールの時にリーダーも触れているけれど、この日同じ横浜の野外(横浜スタジアム)でアジアンカンフージェネレーションの10周年ライブが行われていた。

最後に上がった打上花火はアジカンのライブ会場からも見えていたらしく、その様子はアジカンの映像作品で確認できる。MCでゴッチがそのことに触れている場面もあった。

後からアジカンのライブ映像を観てこのアジカンとの花火の瞬間の共有にもなんだか繋がりというか奇跡的なものを感じたものだった。

 

 

私の割と長いスピッツとのお付き合いの中で最もチケットを取るのに苦労したライブがこの横浜サンセットだったので、そういう意味でも思い入れがある。

先行でまったく取れず、一か八かで一般販売の日に郊外のチケットぴあに並び、カウンターのお姉さんが頑張ってゲットしてくれた時の嬉しさは今も忘れない。そればかりか出てきたチケットなんとはAブロック(最前ブロック)だったし。

グッズ列がとにかく凄くて、北海道からお昼過ぎに会場に着いた頃にはこのイベントのグッズは何も残っていなかったことも覚えている。あの横じまのリーダーが来ているTシャツが欲しかったなあとか、崎陽軒とコラボした「ス」印のシューマイマン食べたかったなあとか、そういうのも良い思い出。

(これは自慢だけれど、即完売した”放浪マグカップ”だけは奇跡的にオフィシャルの事後通販でゲットすることができた。私の持っているのは”ハチミツ”カラーの放浪マグカップで、唯一これがこの横浜サンセット関係でゲットできたグッズでもある。)

 

スピッツのこれまでのパッケージ化されたライブと違って、基本的にノーカットのライブ映像なので、途中でMCするところなのに忘れていて、崎ちゃんに合図されて慌ててしゃべりだすマサムネさんとかも見られるのが新鮮だったりする。

あのゆるーーーいMCも堪能できるし、それもまた楽しい。

ということで、映像が公開されてうれしくて勢いでダーッと書いてしまった。

 

今年は夏のフェスも続々と中止が発表されていて本当に残念に思っている。まだ発表されていないけれど私の大好きなライジングサン・ロック・フェスティバルもおそらく開催は厳しいと思う。

でも来年は笑顔でライブがみられる日が来ると願って、今はこの映像を何度も味わおうと思う。横浜サンセットを公開してくれたスピッツスピッツのスタッフの皆さん、本当にありがとうございます。

 

【セットリスト】

恋のうた
涙がキラリ☆
みそか
ハチミツ
僕はきっと旅に出る
夏が終わる
小さな生き物
さらさら
ルキンフォー
運命の人
りありてぃ
ランプ
アパート
月に帰る
チェリー

恋する凡人
8823
モリーズ・カスタム
海を見に行こう
~EC~
ヒバリのこころ
ビーフェイス
夢追い虫