スピッツの新曲「紫の夜を越えて」
NEWS23の新ED曲になったスピッツの新曲『紫の夜を越えて』
番組で歌詞付きで流れたのは最後のサビの部分で意外と長く流してくれた、嬉しい。
一部分しかまだわからないけれど、コロナ禍を受け止めて前を見ているような詞。
曲調はタイトルから勝手に『水色の町』みたな曲を思い浮かべてたんだけど、思っていたよりテンポの良い明るい曲だった。
少し動くのも 恐れてた日々 突き破り
紫の夜を越えていこう いくつもの光の粒
僕らも小さな ひとつずつ
なぐさめで崩れるほどの ギリギリをくぐり抜けて
一緒にいて欲しい 遠くまで 潤み始めた目を開いて
紫色の夜を越えて
流れたのは一番最後のサビの部分。
“紫の夜を越えていこう”の「紫の~」からドラムが入り始めてバーッと上がる感じが気持ち良くて好き。
”なぐさめで崩れるほどの”とかっていうフレーズはマサムネさんらしい表現だなあと思うけれど、決して悲しいとか怖いという感じではなくって、明るい方を向いているような、そういう曲になっていると感じた。
早く全曲通して聴きたいな。
天気予報の時から流れていたので一生懸命歌詞を聞き取ろうとしたけど、無駄な努力だったのでワクワクしながら待ちたい。
あ!それと裏のNEWS ZEROのEDは米津玄師の『ゆめうつつ』。
こちらも早く通して聴きたいな~。新年からうれしいお年玉でした。
以下は蛇足ですが、スピッツの「夜」をテーマにした曲について。
YOASOBI、ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに、とか最近夜の名のついたグループは人気がありますね。
「夜」をテーマにしたスピッツの曲で真っ先に思い浮かぶのは『三日月ロック』のOP曲である『夜を駆ける』。
夜を駆けていく 今は撃たないで
遠くの灯りの方へ 駆けていく
めちゃくちゃかっこよくって大好きな曲。
これは勝手に駆け落ちの歌っぽく聴いている。映画のワンシーンになりそうな情景が浮かぶ曲。こちらは希望に向かって駆けて行ってるというよりは、その先が希望かどうかわかんないけどとりあえず今は駆けていこうみたいな。むしろ行き着く先は若干絶望かもみたいなそんな曲。そこがいいんだけれども。
『さらさら』も夜を歌った曲だと思う。
だから眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ
見てないときは自由でいい
まだ続くと信じてる 朝が来るって信じてる
悲しみは忘れないまま
忘れてはいけないのは、この曲が東日本大震災後リリースされた最初のシングルだったということ。リリースされた当時はダークな雰囲気にちょっと戸惑った。
朝が来ることを信じていると言っているけれども、そう言い聞かせているようにも聞こえる歌詞。
”見てないときは自由でいい”ってちょっとすごいフレーズだよね。
今でもなぜこの曲のタイトルが『さらさら』なんだろうか、と考えることがあるのだけれど…時間とか時代とか思い出とかがさらさら流れていくことへのアイロニーなのかな?とか。身体を水に作り変えるっていうフレーズがあるから、その水=さらさらなのかな?とか。
スピッツ オンライン上映 ”猫ちぐらの夕べ”を観た感想
お久しぶりです。
ライブにも行けずどこにも行けず、たまに配信ライブなんかは観たりはしたけれど、現場に行けないと心は離れていくなあなどと思っていた今日このごろ。
…ですが、昨日(12/21)に初回配信されたスピッツのライブ”猫ちぐらの夕べ”については感想書きたいなあと猛烈に思ったので、久々に書きます。
これまでも他のアーティストの配信ライブも見たりなんかしてたのだけど、抽選の当落とかじゃなくて地理的だったり状況的な問題で行けないのが現状なので、特に有観客の生配信は、関東に住んでいて会場に行けている人へのうらやましさが先に立ってしまって心底楽しめないなあというのが正直な気持ちだった。
これはアーティスト側の責任ではないし、配信してくれるだけありがたいのだけれど…。心の狭い人間でほんとすみません。
そんなわけで最近有観客の配信ライブを観るのはちょっと敬遠していて、このまま音楽から心は離れてゆくのか…などと思っていたりしていた。
が!スピッツの”猫ちぐらの夕べ”は観ないという選択はなく、観始めたらそんな気分も吹き飛ぶとても良いライブだった。心がスーッと癒されました。
観てよかった。なんならこれから何回観ようかしら…?と思っているくらいには。
※ここからはガッツリネタバレなので、まだ上映を見ていない方はお気をつけください。
で、”猫ちぐらの夕べ”のセットリストなのですが。
控えめに言っても近年最高の神セットリストだったと思う。
事前の告知でも「ゆったりとした曲を」みたいなことがアナウンスされていたので、どんな曲が演奏されるのかとても楽しみにしていたのです。
まずもう1曲目から「恋のはじまり」だったのは本当にびっくり。ライブでまた聴けるとは。
私はマサムネさんの「恋」とか「愛」の日本語の表現が天才的だと常々思っていて、「恋のうた」「恋は夕暮れ」「恋のはじまり」「恋する凡人」みたいに「恋」がテーマのスピッツ曲が大好物。
新種の虫たちが鳴いてる マネできないリズム
新種の虫たちの声になぞらえるなんて、”恋のはじまり”を表現するのにこんな言葉使うんだ!すごい…(語彙がない)ってなってしまう。
スピッツの歌詞って全然難しい言葉じゃないのに、絶妙な組み合わせっていうか、いや本当にマサムネさんの頭のなかどうなってるんだろう?
2曲目の「ルキンフォー」
思い出で 散らかった部屋を
出てゆくよ 言ってたより少し早く
ルキンフォー めずらしい生き方でもいいよ
誰にもまねできないような
このフレーズが心から大好き。不器用さだったりいびつだったりすることを肯定してくれるところ。静かに力強く響演奏と歌に励まされる曲。
「空も飛べるはず」を挟んで演奏された「あじさい通り」もかなり久々にライブで聴いた曲。
スピッツには直接的なメッセージを伝える曲ってそんなにないんだけど、下向いちゃうときとかダメな時もあるけど、それもいいよねって言ってくれる曲が多い。
だから この雨上れ
「あじさい通り」で印象的なサビのフレーズを聞いて、この祈りが届いて早くライブに行ける日が来てほしいと率直に感じた。
MCを挟んで個人的に冬のスピッツの代表曲だと思っている「スカーレット」、MIKKEツアーでも披露された「小さな生き物」、99epに収録された隠れた名曲「魚」(個人的に99ep名曲揃いだと思う)。
久しぶり(20年ぶりくらい)にやる曲です、と言って披露されたのは「ハートが帰らない」。隼のツアー以来なのかな。これも意外な選曲でうれしい。
音源では女性コーラスが入るメロウな曲。
おととしくらいのライブ(FM ROCK KIDSのやつ)での「さらばユニヴァース」の演奏もめちゃくちゃ良かったし、アルバムとして「隼」大好きな私はとても嬉しい。
MCで深呼吸をするときは、吸うより吐くほうが大切だと聞いたので「ハートが帰らない」のサビを歌うといいかも、というゆるーい話に笑ってしまった。
深呼吸するときこの曲必ず思い出しそう。
そのMCで「ハートが帰らない」深呼吸を披露するために改めてサビを歌ったマサムネさんに、田村さんが「いい声だなあ」って言ったのも印象的だったなあ。ずっと一緒に演奏しているメンバーでもそう思うのね、と。マサムネさんああみえて声量あるし音程も安定してるし、歌本当にうまいよね。
そしてそしてみんな大好きなスピッツファンにとってある意味代表曲といえる「猫になりたい」の次に披露された「君だけを」が超絶素晴らしかった!!!!!!!
「君だけを」のためだけにでも何度でもこの配信を見る価値があると断言できる。いやもうマジで。「君だけを」を今回選曲した人に大感謝。
冒頭、マサムネさんのアコギのみで歌われるんだけれども、そこでもう素晴らしすぎて息が止まりそうになった。
マサムネさんの声、やはり少しずつ変化していると思うのだけれど、もともとお上手な歌がさらにうまくなっているなあと思うの。そして昔より少しかすれたような今の声に「君だけを」がベリーマッチしていて破壊力抜群。
あまり感情を入れずにさらーっと歌うのは元々そうなんだけれど、その中での静かな感情の込めかたみたいなのが本当にうまくなったと思う(偉そうでスミマセン)。
聴き手に想像の余地を残す感情の込めかたというか。
語彙が無いのでうまく表現できないのだけれど、過剰に抑揚で表現するのとまた違う歌の表現というのがあるんだなあと、近年のスピッツのライブを観ていて思うのよね。それがじっくり堪能できる「君だけを」最高。
それにしても本当に思うんだけれど、(Youtubeで公開された横浜サンセットの感想の時にも書いた気がするけど)『Crispy!』収録曲(シングル曲除く)は過小評価されすぎだと思うので、もっともっとライブでやるべきだと思う!!!
そして個人的にはもう1曲、このライブを象徴するように感じた曲があって、それは本編最後の「正夢」。本編を締めるのにふさわしい選曲と演奏だった。
「正夢」に関しては思い入れがある。
東日本大震災が起きた年である2011年の新木場サンセットで、確かこの時も本編の最後で演奏された「正夢」は今も忘れられない。
世の中的にも自分の気持ち的にも閉塞感が凄かったんだけど、この時の「正夢」では本当に心に明かりが灯ったような気持ちになった。
もう歌詞が素晴らしい。
愛は必ず最後に勝つだろう そうゆうことにして 生きてゆける
あのキラキラの方へ登っていく
クレジットに special thanks KANとあることからも、KANの「愛は勝つ」のリスペクトなんだと思うけれど、「愛は勝つ」って一見陳腐に聞こえるけどすごい真理というか。それを「そうゆうことにして 生きてゆける」と表現するところもすごい。
そう思っておけばよくない?っていう感じに救われるというか、いや本当にいい歌詞だと思う。
ちなみに本当に余談だけれど私はKANさん大好きなんです。北海道人なのでKANさんのラジオで育ったと言っても過言ではないくらい。ロックボンソワも聴いてる。
横道にそれたけれど、今回のライブの「正夢」もそれに近い印象を受けた。
明い!希望!というよりは、今は暗いところにいるけどキラキラの世界が見えているよ、もうすぐだよって言われているような感じというか。
そんな経緯もあって、個人的には「正夢」がスピッツの曲の中で一番希望を感じる歌で、私にとって特別な曲のひとつ。30/50のツアーでもピンクの紙吹雪が舞う演出がされていて、なんかハッピー感あるのかな。
そういえばこの時の新木場サンセットでのスピッツ恒例のカバーはブルーハーツの「ハンマー」だった。これがまたすごい歌詞で、印象深いカバーだった。
私が行ったのは2日目で、スピッツ以外の出演者は(確か)コレクターズ、高橋優、たむらぱん、世界の終わり(まだ日本語表記だった頃だったなぁ。あのSEKAI NO OWARIのことです。ナカジンさんがスピッツのステージ観てたの覚えてる)。今思えば新木場サンセットにセカオワ出てたのか…私観てたのか…って感慨深いものがある。。。
全曲感想書くのしんどくなって飛ばしちゃったんだけれども、「みなと」の演奏で三輪さんのギターの手元が大きく映った時のギタープレイだとか、「フェイクファー」の時の田村さんのちょっといつものエンジンかかってきた感じだとか、崎ちゃんのドラムの心地よさもみんな私の好きなスピッツだった。
アンコールが「初恋クレイジー」「ウサギのバイク」「ハネモノ」だったのも良かったなあ。「ウサギのバイク」は割とライブで登場してる気がするけど、私はなかなか巡り合えてなかったからうれしかった。
”猫ちぐらの夕べ”の何がよかったって、単にセットリストがとか、この曲が、とかいうだけではなくて、ひとつひとつの曲を通してスピッツからのメッセージが伝わってきたところ。押しつけがましくなくって、ライブを通してそっと励ましてくれるところがスピッツらしくて素敵だと思った。
メンバー紹介の時クージーも言っていたけれど、また会えるよ約束しなくても by「魔法のコトバ」を胸にMIKKEツアーの再開をずっと待ってます。
メンバー紹介の崎ちゃんの「心を燃やせ」とか、イマイチ噛み合ってなかったけれど、三輪さんの帽子からスズメ(善逸?)、マサムネさんの帽子からカラス(炭次郎?ロック大陸漫遊記ではマサムネさんは村田さんが好きって言ってたね)が出てきて…と鬼滅の刃ネタがあったり、瑛人の「香水」歌おうとして止められたっていう話とか相変わらず緩いMCも楽しかった。ちなみに私は中の人の声が大好きなので伊之助が好き(どうでもいいですね)。
次の日仕事とかない日にじっくりまた見て浸りたい。「君だけを」何回も聴きたいからBD化期待してます。。。
”猫ちぐらの夕べ” セットリスト
01.恋のはじまり
02.ルキンフォー
03.空も飛べるはず
04.あじさい通り
05.スカーレット
06.小さな生き物
07.魚
08.ハートが帰らない
09.猫になりたい
10.君だけを
11.僕のギター
12.猫ちぐら
13.フェイクファー
14.楓
15.みなと
16.魔法のコトバ
17.正夢
EC1.初恋クレイジー
EC2.ウサギのバイク
EC3.ハネモノ
米津玄師『STRAY SHEEP』を聴いて
米津玄師のニューアルバムである『STRAY SHEEP』を聴いた。
「Lemon」以降のシングルが収められた全15曲。
まるでベスト盤かのような曲のラインナップ。すごく“今”っぽいアルバムであると同時に、全編を通してアルバムを聴くとやはり根底に流れる米津らしさがにじみ出ていると感じた。
闇と光のコントラストを描く、カラヴァッジョの絵画のような感じ。
暗いもの汚いものの中にも美しさや光を見る感覚というか。
たとえば、醜さと美しさ 刹那と永遠 生と死、こうしたものが歌われていると感じる。
米津玄師という人は、人の暗い部分や内向的なところに寄り添ってくれる歌を歌う人だと思っていたのだけれど、『STREY SHEEP』を聴いてますますその思いは強くなった。
私のようにそんなところを愛している人もたくさんいるのではないだろうか。
このアルバムの1曲目は「カムパネルラ」というタイトル。
カムパネルラといえば思い浮かべるのは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』だ。
『銀河鉄道の夜』は銀河鉄道の旅を通して「本当の幸せ」の意味を知るジョバンニとカムパネルラの物語だ。そしてこの旅は死というものを内包している。
曲調は決して暗くないけれど、この曲は死を想像させるし残された者の想いのようなものを歌っているように感じる。それはこの曲だけではなくて「Lemon」あたりの曲からも感じるものだ。
もう一曲、アルバムをずらっと聞いていてひっかかった曲がある。「優しい人」という曲だ。
この曲は“不幸であるのが自分で無くてよかった”と思う人間の負の部分の感情をあえて歌っている。米津玄師のこれまでの曲のなかでもあまりないような、割と赤裸々な歌詞。
でもこの曲にはきちんと救いがある。それは優しくない自分を自覚しているけれど、それでも「優しい人」に憧れている、というところだ。
同じように「カムパネルラ」や「Lemon」でもちゃんと希望が示されている。暗い気持ちや感情を掬い取ってそっと寄り添ってくれるような歌。それが米津玄師の歌だなあと今回のアルバムを聴いてあらためて感じた。
とかいいつつちなみに私が好きな曲は、「感電」、野田洋次郎と歌っている「PLACEBO」、「Decollete」の3曲。
ドラマ『MIU404』の主題歌として書き下ろされた「感電」は、個人的に星野源演じる志摩のテーマソングのように聞いているのだけれど、ちょっと退廃的な香りをさせつつ情熱的な感じもあって良い。
バディもののドラマの歌詞としてみてもど真ん中で、「愛し合う様に 喧嘩しようぜ」という歌詞はついついトムとジェリーのテーマソング(「仲良く喧嘩しな」)を思い浮かべてふふっとなるようなところもある。
「PLACEBO」みたいなダンスナンバーを野田洋次郎が歌っているのも新鮮だし、恋に酔っているような感じが音にも歌詞にもメロディーにもあふれ出ていて、単純に聴いていて楽しい。野田洋次郎って本当にいい声してるなあと改めて思った。
「Decollete」は、単純にこういうよくわかんない感じでひょっこり出てくる米津曲が大好き。なんかちょっと昭和歌謡みたいな感じもあってそれでいておしゃれというか、「Framingo」もちょっとそういう空気感があって好きなので、ぜひこういう曲も作り続けてほしい。
本当は4月に米津玄師のライブツアー『HYPE』に行くはずだった。
延期になった振替公演も中止になり、これは誰のせいでもなく仕方ないことだけれど、本当にがっかりしている。
振替公演に行くときのためにと購入したライブグッズの蛍光オレンジのタオルは次のライブに持っていくことにして、しばらくは『STRAY SHEEP』を聴いて過ごすことにしようっと。
サブスク解禁になったのであらためて過去作も聴いていて(CD持ってるにも関わらず)、やはり「ゆめくいしょうじょ」「笛吹けども踊らず」「ししど晴天大迷惑」あたりの曲が変わらず好きだと思った次第。
夏を感じる歌
今週のお題は「夏うた」。
パッと思いつく好きな夏の歌5選。
indigo la End「夏夜のマジック」
初恋の嵐「真夏の夜の事」
Mrs.GREEN APPLE 「青と夏」
DAOKO×米津玄師「打上花火」
地味な人生を送ってきたので、バリバリ明るい夏の歌じゃなくてこういう感じになってしまう。
この中で自分でも異色かなと思うのはMrs.GREEN APPLE。最近『Attitude』というアルバムを真面目に聴いて(今さら感がすごい)みたところ結構刺さるものがあって、過去の音源も掘ってみようかなあと思っている。
米津ファンなのですが、「打上花火」はソロよりもDAOKOちゃんとデュエットしてる方が断然好み。
スピッツのリモートによる新曲「猫ちぐら」
6/14の草野マサムネのロック大陸漫遊記は「日本のロック最盛期1999年で漫遊記」という放送回だった。
1999年といえばスピッツがお正月に『99ep』をリリースした年。そしてスピッツの中でもっともオルタナ感の強いロックなアルバムである2000年の『隼』に繋がっていく年でもある。
ちなみに世の中的なこの年のヒット曲はGoogle先生によると、GLAYの「Winter,again」や19の「紙ヒコーキ雲 くもり空わって」とかB'zの「ギリギリchop」等らしい。これもどっちかっていうとロックぽい曲が多いのね。
個人的にも1999年と言われて頭に浮かぶのは今回のテーマどんぴしゃのNUMBER GIRL、くるり、椎名林檎、宇多田ヒカルあたり。今回かからなかったけれど、SUPERCARとかもこの頃メキメキ人気が出てきたバンドだったと思う。
マサムネさんご自身も今回のラジオで『隼』のできた経緯についてうっすらだけどお話されていたのが興味深かった。
さて、前置きは置いておいて今回のラジオではなんとスピッツがリモートで作った新曲が冒頭で流れた。
スピッツが!リモートで!!新曲!!!
正直驚いた。
タイトルは『猫ちぐら』。
『猫ちぐら』が何か知らなかったので、聞いた時は頭のなかはひらがなで「ねこちぐら」という言葉が浮かんで???状態だったのだけれど、ググってみたところ天然の藁で作られた猫のお家のことみたい。
スピッツ流“STAY HOME”を表した言葉が“猫ちぐら”ということなのかもしれない。
とはいっても直接的にSTAY HOME的な表現はないけれど、でもスピッツからの優しいメッセージを感じるような楽曲になっている。
ラジオという環境だから、サブスクやCDで聞くパキッとした音とは違った温かみのある音。
マサムネさんのボーカルに重ねられた、アルペジオのギターの音、跳ねるように歌うベースの音、温かく刻まれるドラムの音。ああ、私の好きなスピッツだなあと思った。
歌詞もすごく素敵だ。
作りたかった君と小さな猫ちぐらみたいな部屋を
斜め方向の道がまさか 待ち構えていようとは
このあたりは「ロビンソン」の”誰も触れない二人だけの国”みたいな感じもする。
そして『見っけ』に収録されている「ありがとさん」のようにちょっと死を思わせるような歌詞が印象的。
驚いたけどさよならじゃない 望み叶うパラレルな世界へ
明日はちょこっと違う景色書き加えていこう
でも暗い歌詞というわけではなくって希望も感じる。
続いた雨も小降りになってた
お日様の位置もなんとなくわかる
寂しいけれどさよならじゃない
望みかなうパラレルな世界へ
願わくば優しい景色書き加えていこう
※ラジオの聞き取りなので実際とは違うかもしれません
続いた雨が晴れるとかじゃなくって、「小降り」になるっていうその加減がすごく好きだなあ。「お日様の位置もなんとなくわかる」っていう表現とかも、すごくいい。
希望とかそういうものを示すのにこういう言葉を使えるセンスがほんと天才的だなあといつも思う。
ちなみに中島みゆきの曲にも『ねこちぐら』という歌詞がある様子、歌詞検索したらこちらも面白そうな歌だったので後で聞いてみよう。
「ロック大陸漫遊記」放送されてから1週間はradikoで聞けるので、聞いていない人にはぜひともお勧めしたい。radiko大好き。
ちなみに新曲以外にも、ミッシェルガンエレファントの「スモーキン・ビリー」→椎名林檎「正しい街」→ハイスタ「STAY GOLD」→ナンバガ「透明少女」→くるり「街」→The Mad Capsule Markets「PULSE」→BRAHMAN「DEEP」と畳みかけるロックな選曲もめちゃくちゃ良い。